第4号議案 監査役1名選任の件
監査役山科裕子氏は、本定時株主総会終結の時をもって辞任されます。つきましては、その補欠として、監査役1名の選任をお願いいたしたいと存じます。
また、本議案に関しましては、監査役会の同意を得ております。
監査役候補者は次のとおりであります。
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武石 惠美子新任社外監査役独立役員略歴を開く閉じる
生年月日 1960年2月16日生 所有する当社の株式数 0株 略歴、当社における地位及び重要な兼職の状況 1982年4月 労働省入省1992年7月株式会社ニッセイ基礎研究所入社2003年4月東京大学社会科学研究所助教授2004年4月株式会社ニッセイ基礎研究所2006年4月
上席主任研究員法政大学キャリアデザイン学部助教授2007年4月法政大学キャリアデザイン学部教授(現在)2015年2月キユーピー株式会社社外監査役2015年6月東京海上日動火災保険株式会社2023年6月
社外監査役(現在)鹿島建設株式会社社外監査役(現在)(重要な兼職の状況)
法政大学キャリアデザイン学部教授
東京海上日動火災保険株式会社社外監査役
鹿島建設株式会社社外監査役社外監査役候補者とした理由 武石惠美子氏は、人的資源管理や女性労働論等を専門とする大学教授や厚生労働省の労働政策審議会等での委員、事業会社での社外監査役等を歴任し、人事制度・労働政策等やコーポレート・ガバナンスに関する幅広い経験と高度かつ深い識見を有しておられます。同氏は過去に社外監査役となること以外の方法で会社の経営に関与しておりませんが、同氏の豊富な経験に裏打ちされた幅広い視野と高い視座によって、不確実性が高い事業環境下における当社グループの実効的な監査に大きく寄与いただけるものと判断するとともに、当社グループのコーポレート・ガバナンスの更なる向上にもつながるものと考えていることから、社外監査役として選任をお願いするものであります。 社外監査役候補者に関する特記事項 -
・当社は、同氏が社外監査役を務める東京海上日動火災保険株式会社と取引関係がありますが、2023年度の当該取引額は、東京海上日動火災保険株式会社の2022年度経常収益の0.05%未満、当社の2023年度の連結売上収益の0.05%未満であり、僅少であります。
また、当社は同氏が社外監査役を務める鹿島建設株式会社と取引関係がありますが、2023年度の当該取引額は、鹿島建設株式会社の2022年度連結売上高の0.05%未満、当社の2023年度の連結売上収益の0.05%未満であり、僅少であります。
これらの関係は、独立性に影響を及ぼすものではないと判断しております。 - ・同氏が社外監査役を務める東京海上日動火災保険株式会社は、金融庁から、同社に独占禁止法に抵触すると考えられる行為及び同法の趣旨に照らして不適切な行為並びにその背景にある態勢上の問題が認められたとして、2023年12月、保険業法に基づく業務改善命令を受けました。同氏は、本件事実について事前に認識しておりませんでしたが、日頃から、取締役会等において内部統制の強化や法令遵守等の視点に立った提言を行っておりました。本件事実を認識した後は、徹底した調査や真因の分析、再発防止策の策定を指示するなど、その職責を果たしております。
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・当社は、同氏が社外監査役を務める東京海上日動火災保険株式会社と取引関係がありますが、2023年度の当該取引額は、東京海上日動火災保険株式会社の2022年度経常収益の0.05%未満、当社の2023年度の連結売上収益の0.05%未満であり、僅少であります。
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(注)
- 武石惠美子氏と当社の間に特別の利害関係はありません。
- 同氏は、当社の「社外役員の独立性基準」及び株式会社東京証券取引所が定める独立役員の要件を満たしており、同氏の選任が承認された場合、同氏を同取引所が定める独立役員に指定する予定であります。
- 当社は、同氏の選任が承認された場合、同氏との間で監査役として、会社法第423条第1項の責任を法令が規定する額まで限定する責任限定契約を締結する予定であります。
- 当社は、同氏の選任が承認された場合、同氏と会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結し、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することといたします。
- 当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、2024年4月に同契約を更新する予定です。当該保険契約により、被保険者が負担することになる第三者訴訟、株主代表訴訟及び会社訴訟において発生する争訟費用及び損害賠償金を塡補することとしており、当該保険契約の保険料は全額当社が負担しております。同氏の選任が承認された場合は、当該保険契約の被保険者となります。
【ご参考】本定時株主総会後の取締役・監査役(予定)のスキル・マトリックス
当社取締役会が備えるべきスキルの考え方
当社は、当社グループの経営理念である「4Sモデル」を追求するとともに、JT Group Purposeを実現し、時代や人により多様で変化していく「心の豊かさ」の領域を今後も社会から任され、貢献できる存在であり続けるため、絶えず進化に挑戦していきます。そのうえで、当社の取締役会は、「4Sモデル」やJT Group Purposeに共感し、企業人としての高潔な倫理観・知識・経験・能力を兼ね備えた多様な人財により構成することが重要であると考えています。
このような考えに基づき構成された取締役会がその役割・責務を適切に発揮する観点から、当社は、各取締役に以下の分野における知識・経験を活かした能力(=スキル)の発揮を特に期待しており、取締役会全体として必要なスキルが備わっているものと考えています。
当社が特にスキルの発揮を期待している分野
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- 当社の経営理念である「4Sモデル」をベースとした、持続的な利益成長及び企業価値の向上に資する経営戦略・経営管理・事業戦略等の「企業経営」
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- 中長期的な事業成長の観点から、グローバルに事業を展開するJTグループにとって必須となる「グローバルマネジメント」
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- 当社の企業価値向上及び事業継続のための経営活動・事業活動に係る意思決定のベースとなる「財務、会計、資本政策、金融」及び「法務、コンプライアンス、リスクマネジメント」
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- JTグループの競争力を強化し、事業継続において不可欠な経営基盤の一つとなる「IT/情報セキュリティ」
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- ステークホルダーの利益を最大化し、持続的な利益成長と長期的な企業価値向上を図るうえで、当社の企業活動の根幹にある「コーポレート・ガバナンス」
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- 「4Sモデル」に基づき、JT Group Purposeの具現化を通じて持続可能な自然や社会づくりに貢献するため、当社が経営の中核に位置付け、マテリアリティ分析を踏まえて戦略を策定する「サステナビリティ/環境、社会」
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- 性別、性的指向や年齢、国籍に留まらず、経験や専門性など、異なる背景や価値観を尊重し、人財の多様性に着目した成長支援を含む人財への投資や、多様な個性がその能力を最大限発揮できる組織風土の醸成を推進する「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)/ 組織、人財マネジメント」
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- 変わり続ける社会や人の価値観に合わせて「心の豊かさ」を継続的に提供するために、事業の更なる発展・成長に向けた戦略策定・施策実行を企図する「事業開発/M&A」
また、監査役においても、取締役の職務執行を監査する監査役の役割・責務に照らして、「財務、会計、資本政策、金融」、「法務、コンプライアンス、リスクマネジメント」、「コーポレート・ガバナンス」におけるスキルの発揮を特に期待しており、監査役会全体として必要なスキルが備わっているものと考えています。

【ご参考】当社のコーポレート・ガバナンス
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンスを、当社の経営理念である『4Sモデル』、即ち、「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」ことの追求に向けた、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みととらえ、これまでも、コーポレート・ガバナンスを経営上の重要課題の一つと位置付けて、その充実に向けた取組みを積極的に進めてまいりました。
当社は、当社のコーポレート・ガバナンスの充実が、当社グループの中長期に亘る持続的な利益成長と企業価値の向上につながり、当社グループを取り巻くステークホルダー、ひいては経済・社会全体の発展にも貢献するとの認識のもと、2016年2月4日に、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び取組みについて改めて明文化し、「JTコーポレートガバナンス・ポリシー」として制定いたしました。
当社は、今後もコーポレート・ガバナンスを経営上の重要課題の一つと位置付け、不断の改善に努め、その充実を図ってまいります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制(2023年12月末)


【ご参考】当社の取締役候補者の選定等について
当社は、「JTコーポレートガバナンス・ポリシー」の中で、以下のとおり定めております。
取締役候補者及び監査役候補者の選定、役付取締役及び執行役員を兼務する取締役の解職等については、取締役会の適切な監督のもと、以下の方針・手続に従い実施する。
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- 当社は、『4Sモデル』の追求による中長期に亘る持続的な利益成長と企業価値向上を担う資質を備えた経営幹部候補者群の質的・量的拡充を志向している。
具体的には、委員全員が執行役員を兼務しない取締役かつその過半数を独立取締役で構成する人事・報酬諮問委員会において外部の知見を参考にしつつ、経営幹部候補者群の育成状況及び後継者計画並びに計画策定プロセスの充実を図っている。
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- 取締役候補者については、社長が策定した候補者案を人事・報酬諮問委員会において審議のうえ、その内容・結果を取締役会に向けて答申することにより、独立社外取締役から適切な助言を得る機会を確保した後、取締役会の決議により決定する。
監査役候補者については、社長が策定した候補者案を人事・報酬諮問委員会において審議のうえ、その内容・結果を取締役会に向けて答申することにより、独立社外取締役から適切な助言を得る機会を確保した後、監査役会の事前の同意を得たうえで、取締役会から独立した立場での適切な職務執行が期待できる者を取締役会の決議により決定する。
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- 役付取締役及び執行役員を兼務する取締役の解職にあたっては、求められる資質を満たさない場合・職務遂行が困難になった場合に、解職に該当しない取締役が人事・報酬諮問委員会に対して解職議案の審議を求め、委員会は審議の内容・結果を取締役会に向けて答申することにより、独立社外取締役から適切な助言を得る機会を確保した後、取締役会の決議により決定する。
また、当社は、取締役候補者及び監査役候補者の選任議案を株主総会に付議する際に個々の候補者を選定した理由を開示し、役付取締役及び執行役員を兼務する取締役の解職を取締役会が決議した際には解職した理由を開示する。
【ご参考】当社の「社外役員の独立性基準」
当社は、「社外役員の独立性基準」を制定しており、当社の独立社外役員は、以下に掲げる事項に該当しない者としております。
- 1
- 当社及び当社の関連会社並びに当社の兄弟会社に所属する者又は所属していた者
- 2
- 当社が主要株主である法人等の団体に所属する者
- 3
- 当社の主要株主又は当社の主要株主である法人等の団体に所属する者
- 4
- 当社の主要な取引先及び当社を主要な取引先とする者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
- 5
- 当社の主要な借入先その他の大口債権者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
- 6
- 当社の会計監査人又は会計参与である公認会計士若しくは監査法人に所属する者
- 7
- 当社に対し、法律、財務、税務等に関する専門的なサービス又はコンサルティング業務を提供して多額の報酬を得ている者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
- 8
- 当社から多額の寄付を受け取っている者(法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
- 9
- 最近において上記2から8のいずれかに該当していた者
- 10
- 以下の各号に掲げる者の近親者
- (1)
- 上記2から8に掲げる者(法人等の団体である場合は、当該団体において、重要な業務を執行する者)
- (2)
- 当社及び当社の関連会社並びに当社の兄弟会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、執行役員又は従業員
- (3)
- 最近において(1)又は(2)に該当していた者
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(注釈)
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・当社が主要株主である法人等の団体
当社が、発行済み株式総数の10%超を保有している法人等の団体 -
・当社の主要株主/主要株主である法人等の団体
当社の発行済み株式総数10%超を保有している者/法人等の団体 -
・当社の主要な取引先/当社を主要な取引先とする者
事業年度において、当社との間で当社連結売上高の2%超の取引がある者/当社との間で取引先の連結売上高の2%超の取引がある者 -
・当社の主要な借入先その他の大口債権者
当社事業報告「企業集団の主要な借入先」に記載している金融機関及び過去の大型M&A時等にリリース資料等において借入先、主幹事会社等として記載した金融機関 -
・当社に対し、法律、財務、税務等に関する専門的なサービス又はコンサルティング業務を提供して多額の報酬を得ている者
当社に対し、法律、財務、税務等に関する専門的なサービス又はコンサルティング業務を提供して事業年度に1,000万円超の報酬を得ている者。法人等においては、事業年度における年間総収入の2%以上。ただし2%未満であっても、当該専門家が直接関わっている役務提供の対価が1,000万円を超える場合は多額とする。 -
・当社から多額の寄付を受け取っている者
当社から、事業年度に1,000万円超の寄付を受け取っている者。その者が法人等の団体である場合は、事業年度に1,000万円又は当該団体の年間総収入額若しくは連結売上高の2%のいずれか高い額を超える寄付を受け取っている当該団体に所属する者 -
・近親者
配偶者及び2親等以内の親族 -
・重要な業務を執行する者
役員、部長クラスの者 -
・遡及措置(「最近において」の判断基準)
過去5年を遡及期間とする。
なお、上記注釈にかかわらず、対象者の過去及び現在の従業の状況等を調査検討した結果、実質的に独立性があると判断される場合には、取締役会の承認を経て、当該人物を、独立性を有する社外役員とする場合がある。その場合は、判断理由を対外的に説明するものとする。
【ご参考】当社の取締役会の実効性評価について
当社は、取締役会の実効性について、毎年、全取締役及び全監査役が取締役会の運営体制・監督機能、株主・投資家との対話等の観点からアンケートによる自己評価を実施するとともに、必要に応じて取締役会事務局が評価結果の補完を目的とした個別ヒアリングを実施した上で、結果を取りまとめております。自己評価結果については、取締役会において評価・分析を実施し、取締役会の更なる実効性向上につなげております。
2023年度は、下記要領でアンケートを実施いたしました。
なお、アンケートの作成・結果分析にあたっては、客観性の担保と実効性評価の更なる改善を目的に、外部機関による助言を受けております。
- -アンケート作成期間
- :2023年9月〜11月
- -評価対象期間
- :2023年(2023年1月〜2023年12月)
- -回答期間
- :2023年11月17日〜2023年12月1日
- -対象者
- :取締役・監査役計14名
- -概要
- :各設問に対する評価(5段階)及び自由記載への記入
- -取締役会での協議
- :2024年2月19日
主な評価項目は以下のとおりです。継続的に確認を図るべき項目に加え、2022年度の評価で抽出された課題に対する改善を確認できるような質問の設計としております。
- 取締役会の役割・機能・構成(6問)
- 取締役会の運営(7問)
- 監査機関との連携及びリスク管理(3問)
- 株主・投資家との関係(3問)
- 任意の委員会(2問)
- 議論・共有を強化すべき課題(1問)
2022年度に係る実効性評価で抽出された課題について、2023年度は以下の取組みを行ってまいりました。

2023年度に係る実効性評価でも、2022年度から引き続き各評価項目について概ね良好な結果が得られ、当社取締役会の実効性が向上し、有効に機能していることを確認しております。各設問に対する評価の偏差が小さく、取締役及び監査役の強みや弱みに対する認識・理解が概ね共通していることに加え、取締役会やその他意見交換の場での議題設定、オープンで活発な議事運営等、運営面での各種取組み強化が特に高く評価をされました。
継続的な実効性向上に資するべく、2024年度以降は以下の取組みを中心に進めてまいります。

今後も引き続き、上記取組みを含め、更なる実効性向上に資する必要な改善を実施してまいります。