事業報告(自 2017年3月1日 至 2018年2月28日)
会社の現況に関する事項
1. 主要な事業内容(2018年2月28日現在)
当社の製品は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」シリーズ、ECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」、そしてプロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM」という4つの市場・製品群から構成されています。
「SI Object Browser」と「SI Object Browser PM」はパッケージの販売と保守を主体とした事業形態です。「SI Web Shopping」、「GRANDIT」はそれに加えてお客様のニーズに合わせてカスタマイズを行ってソリューションとしても提供しています。前者が高い利益率、後者が売上拡大の牽引事業という役割をバランスさせ、市場環境の変化に対応し、幅広い技術を習得しやすい製品構成になっています。

2. 事業の経過及びその成果
(全般)
当事業年度の業績は、売上高3,767,312千円(前期比18.6%増)、売上総利益1,275,882千円(前期比45.0%増)、営業利益494,961千円(前期比126.0%増)、経常利益496,522千円(前期比123.0%増)、当期純利益345,913千円(前期比151.9%増)となり、売上、経常利益ともに過去最高となりました。
当期は、中期経営計画「Core 2015」の最終年度に当たり、この中で掲げた①「コア事業の育成」、②「社内合理化の推進」、③「人材育成が業績貢献に」という3つの目標に向かって取り組んできました。ソフトウェア企業はヒトが財産であり、当社はヒトの育成・活用を重点テーマとしています。昨今、話題となっている「働き方改革」に対してもかなり前から実施しており、その実現に向けて生産性向上に取り組んできました。こうした取り組みの効果が、当期の経営成績に対して良い影響をもたらしたと考えております。
なお、3年前に発生した大規模不採算案件については、現在契約の最終決着に向けての調整段階です。
セグメント別の業績
各セグメント別の業績は、次のとおりであります。
-
売上高構成比率
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売上高
前期比%増
(単位:)
Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」、プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM」及びアプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」の4製品から構成されています。これらは生産性を向上させるツールであり、「働き方改革」に取り組む企業が増えるにつれて、生産性向上のために導入する企業が増えると見込んでいます。
「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」は、ソフトウェア開発の生産性を向上させるツールとして業界で多く利用されており、当社の主力製品の一つとして安定した収益源となっております。最近は、クラウド市場での利用拡大を図っており、「SI Object Browser」及び「SI Object Browser ER」の最新版はOracleクラウドへの対応を充実させています。
「SI Object Browser PM」は、発売以来着実に売上を伸ばして導入企業実績は150社を超えました。本製品の強みは、プロジェクト管理の事実上の世界標準であるPMBOKの管理エリアを統合していることです。品質管理やスケジュール管理、原価管理など、バラバラの目的を満たすツールが多い中、これらを理想的な形で統合したプロジェクト管理のERPというべき製品コンセプトが市場に受け入れられています。IT業界での普及をベースにして、前期末に「ライト版」と「エンジニアリング版」をリリースしてIT業界以外へのシリーズ展開を開始しました。市場の大きな製造業への導入実績も増えており、これからの市場開拓が楽しみな状況です。
アプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」は、ソフトウェア開発におけるCADという新しい発想の製品です。今後、ソフトウェア業界が機械や建設業などの企業と同程度にCADを用いて設計作業を行うようになることを見込んで、すでに特許を取得しております。IT業界の人手不足が深刻になる中、生産性を高めるツールとして注目され、徐々に販売を拡大しています。
なお、これらの製品の保守サポートは、ストック型ビジネスとして安定した事業収益を上げています。
以上の結果、Object Browser事業の売上高は628,667千円(前期比1.4%増)、営業利益は376,897千円(前期比5.1%減)となりました。 -
売上高構成比率
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売上高
前期比%増
(単位:)
EC・オムニチャネル事業は、日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」を主力製品として構成されています。ネット通販の普及とともに事業規模も順調に推移してきましたが、市場の拡大につれて年々競争が激化しています。当社もその影響を受けてここ数年伸び悩んでいましたが、当期は「コア事業に注力」という原点回帰方針が功を奏してV字回復できました。20年以上もECサイト構築事業を行ってきているノウハウを活かして大型開発案件を次々と成功させ、着実に利益を上げることができた1年になりました。
以上の結果、EC・オムニチャネル事業の売上高は699,278千円(前期比16.5%増)、営業利益190,453千円(前期比189.4%増)となりました。 -
売上高構成比率
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売上高
前期比%増
(単位:)
ERP事業は、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」を主力製品として構成されています。「GRANDIT」はコンソーシアム方式なので、同一製品を複数のコンソーシアム企業が販売しています。当社はGRANDITの企画・開発から携わった開発力を強みに、独自のアドオンモジュールを自社で開発し、当社のお客様だけでなく他のコンソーシアム企業にも販売しています。
これまでに「個別生産管理アドオンモジュール」、「繰返生産管理アドオンモジュール」及び「継続取引管理アドオンモジュール」を自社で開発し、これらの効果で主に製造業向けの販売・受注が拡大しています。さらに、当社の自社開発パッケージ「SI Object Browser PM」との組合せにより、IT関連企業向けの「IT テンプレート」として製品化し、IT企業への導入事例も増えています。
当社の強みは、自社の基幹業務にGRANDITを活用しているところです。これを「SI Object Browser PM」と密接に連携した上で、「継続取引管理アドオンモジュール」も利用し、自らIT企業における理想的な合理化モデルとなっています。
最近はクラウド上に基幹業務システムを構築するケースが増えてきております。こうした時代ニーズに対応すべく当社自体の「GRANDIT」と「SI Object Browser PM」もアマゾンウェブサービス(AWS)のクラウドに移行し、その構築・運用ノウハウをベースにお客様に提案しており、すでに数社の稼働事例につながっています。今後も「GRANDIT on AWS」というモデルを積極的に展開し、システム構築だけでなく運用も含めてワンストップでサポートするパートナー企業として事業拡大を行います。
こうした取り組みの結果、コンソーシアム14社のうち販売実績No.1の企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」を過去4回受賞しておりますが、2017年度も過去同等レベルの実績を上げています。
以上の結果、ERP事業の売上高は2,438,268千円(前期比24.6%増)、営業利益は433,683千円(前期比187.0%増)となりました。

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(単位:)
売上高
前期比%増
Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」、プロジェクト管理パッケージ「SI Object Browser PM」及びアプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」の4製品から構成されています。これらは生産性を向上させるツールであり、「働き方改革」に取り組む企業が増えるにつれて、生産性向上のために導入する企業が増えると見込んでいます。
「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」は、ソフトウェア開発の生産性を向上させるツールとして業界で多く利用されており、当社の主力製品の一つとして安定した収益源となっております。最近は、クラウド市場での利用拡大を図っており、「SI Object Browser」及び「SI Object Browser ER」の最新版はOracleクラウドへの対応を充実させています。
「SI Object Browser PM」は、発売以来着実に売上を伸ばして導入企業実績は150社を超えました。本製品の強みは、プロジェクト管理の事実上の世界標準であるPMBOKの管理エリアを統合していることです。品質管理やスケジュール管理、原価管理など、バラバラの目的を満たすツールが多い中、これらを理想的な形で統合したプロジェクト管理のERPというべき製品コンセプトが市場に受け入れられています。IT業界での普及をベースにして、前期末に「ライト版」と「エンジニアリング版」をリリースしてIT業界以外へのシリーズ展開を開始しました。市場の大きな製造業への導入実績も増えており、これからの市場開拓が楽しみな状況です。
アプリケーション設計ツール「SI Object Browser Designer」は、ソフトウェア開発におけるCADという新しい発想の製品です。今後、ソフトウェア業界が機械や建設業などの企業と同程度にCADを用いて設計作業を行うようになることを見込んで、すでに特許を取得しております。IT業界の人手不足が深刻になる中、生産性を高めるツールとして注目され、徐々に販売を拡大しています。
なお、これらの製品の保守サポートは、ストック型ビジネスとして安定した事業収益を上げています。
以上の結果、Object Browser事業の売上高は628,667千円(前期比1.4%増)、営業利益は376,897千円(前期比5.1%減)となりました。 -
(単位:)
売上高
前期比%増
EC・オムニチャネル事業は、日本初のECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」を主力製品として構成されています。ネット通販の普及とともに事業規模も順調に推移してきましたが、市場の拡大につれて年々競争が激化しています。当社もその影響を受けてここ数年伸び悩んでいましたが、当期は「コア事業に注力」という原点回帰方針が功を奏してV字回復できました。20年以上もECサイト構築事業を行ってきているノウハウを活かして大型開発案件を次々と成功させ、着実に利益を上げることができた1年になりました。
以上の結果、EC・オムニチャネル事業の売上高は699,278千円(前期比16.5%増)、営業利益190,453千円(前期比189.4%増)となりました。 -
(単位:)
売上高
前期比%増
ERP事業は、Web-ERPパッケージ「GRANDIT」を主力製品として構成されています。「GRANDIT」はコンソーシアム方式なので、同一製品を複数のコンソーシアム企業が販売しています。当社はGRANDITの企画・開発から携わった開発力を強みに、独自のアドオンモジュールを自社で開発し、当社のお客様だけでなく他のコンソーシアム企業にも販売しています。
これまでに「個別生産管理アドオンモジュール」、「繰返生産管理アドオンモジュール」及び「継続取引管理アドオンモジュール」を自社で開発し、これらの効果で主に製造業向けの販売・受注が拡大しています。さらに、当社の自社開発パッケージ「SI Object Browser PM」との組合せにより、IT関連企業向けの「IT テンプレート」として製品化し、IT企業への導入事例も増えています。
当社の強みは、自社の基幹業務にGRANDITを活用しているところです。これを「SI Object Browser PM」と密接に連携した上で、「継続取引管理アドオンモジュール」も利用し、自らIT企業における理想的な合理化モデルとなっています。
最近はクラウド上に基幹業務システムを構築するケースが増えてきております。こうした時代ニーズに対応すべく当社自体の「GRANDIT」と「SI Object Browser PM」もアマゾンウェブサービス(AWS)のクラウドに移行し、その構築・運用ノウハウをベースにお客様に提案しており、すでに数社の稼働事例につながっています。今後も「GRANDIT on AWS」というモデルを積極的に展開し、システム構築だけでなく運用も含めてワンストップでサポートするパートナー企業として事業拡大を行います。
こうした取り組みの結果、コンソーシアム14社のうち販売実績No.1の企業に与えられる「GRANDIT AWARD Prime Partner of the Year」を過去4回受賞しておりますが、2017年度も過去同等レベルの実績を上げています。
以上の結果、ERP事業の売上高は2,438,268千円(前期比24.6%増)、営業利益は433,683千円(前期比187.0%増)となりました。
(新規事業)
当期は、次の2つの新規事業をスタートさせています。
① 人工知能ビジネス「AISI∀」
今後のビジネス展開において、人工知能(AI)は最重要技術であるととらえ、当期から2つのAI専門チームを構成して本格的にAI事業に取り組んでいます。当社の人工知能のコンセプトネームはAISI∀(アイシア)です。第1弾として花の名前を教えてくれるAIサービス「AISI∀ FlowerName」をホームページに公開し、続いて画面デザインを認識して設計データをリバース生成するAIツール「AISI∀ DesignRecognition」をリリースしました。
これまでに蓄積したAI技術とノウハウをベースに、今後もAI技術を使ったツールを次々とリリースしていく計画としています。
② プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」
2020年の小学校のプログラミング教育スタートを見据え、プログラミングスキルを判定できるオンラインテストサービス「TOPSIC(トップシック)」を新規事業としてスタートしました。TOEICにより英語能力が数値化されたように、TOPSICを使ってプログラミングスキルを見える化していく予定です。2018年1月のサービスイン後、順調に受注も増えており、今後の広がりが期待される状況となっています。
対処すべき課題
当社の中長期的な経営戦略達成のための対処すべき課題は以下のとおりであります。
(1) AI事業の本格化
現在、人工知能シリーズ「AISI∀」のサービスを2つリリースしていますが、さらに収益性の高いサービスを次々とリリースすることにより、AIを大きな事業の柱としていきます。
(2) クラウド事業の本格化
現在、クラウド型のサービスとして、プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」、デザイン認識AI「AISI∀ DR」、プロジェクト管理システム「Object Browser PM」、設計支援ツール「Object Browser Designer」をサービスインしています。今後、これらのサービスの売上を拡大するとともに、AIを使った新製品をクラウドサービスとして提供することで、クラウド事業の比率を大きく高めていきます。
(3) リスク管理の徹底
「SI Object Browser PM」のリスクマネジメント機能を活用して、見積、受注(契約)、及びプロジェクトの各工程において、リスクの早期把握及び迅速な対応を行う仕組みを導入し、失敗プロジェクトを発生させないようにしています。第23期には大きな成果を得ることができましたが、今後も全社員がしっかりと遵守し、運用徹底するように指導していきます。
(4) 働きやすい環境作り
当社の経営方針でもあるので、「働き方改革」という言葉が使われるずっと以前より、働きやすい環境作りに努力してきました。働き方改革は生産性向上と対をなすものであり、今後も働きやすい環境作りと生産性を高められる環境作りを重要課題として追求していきます。
(5) 海外展開
当社は、プロダクトベンダーなので、創り出した製品・サービスを国内だけでなく海外展開できるポテンシャルがあります。Object Browserシリーズの各製品や新サービス「TOPSIC」などは、すでに多言語(中国語や英語)対応しており、海外での利用を想定した製品としています。これまで、リスクを抑えるために、海外拠点を作るような直接投資ではなく、提携先との協力関係による拡販を図ってきましたが、ローリスク・ローリターンでなかなか成果が上がっていません。日本という限られた市場だけにとどまらず、世界に拡販していくために、ある時点でより積極的な海外展開を行う必要があると考えています。
(6) 内部統制システムの強化
当社は、クリーンな会社であると自負しています。健全経営こそが企業を長期繁栄に導くと考えており、内部統制システムの強化を重要な経営課題としています。その基本理念に基づいた「内部統制システムの基本方針」を策定しており、適時見直しを行い必要に応じて改定を行っています。また、プライバシーマークの取得、「リスク管理規程」、「経営危機管理規程」、「適時開示規程」など継続的な関連規程の制定と改善を行っております。財務報告に係る内部統制報告書制度対応のため、必要に応じ社内体制を見直し、定期的に監査人との協議も行っております。引き続き、これらのルールを遵守して実行するために、社員教育や啓蒙活動を行ってまいります。
(7) 開発体制の拡充
IT業界は、ここ数年好景気が続いており、この好調はあと2年は続くものとみております。こうした市場環境の良さより、特にERP事業では好調な引合いに対応できず、案件を辞退するケースが増えています。そのため、喫緊の課題として社員並びにパートナー企業を含めた開発体制の強化があげられます。これまでにも取り組んできましたが、より一層の強化プランを立てて実施していく必要があります。
計算書類
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