事業報告(平成28年1月1日から平成28年12月31日まで)
1.サッポログループ(企業集団)の現況
(1)事業の経過及び成果
当期の日本経済は、2月のマイナス金利政策も個人消費の回復には繋がらず、中東情勢や英国のEU離脱などの影響を受け、円高が進行しました。その後、米国大統領選挙の結果を受けて円安ドル高が進み、先行きが読めない変化の激しい経済環境となりました。サッポログループ各社が事業を展開しているそれぞれの業界については、以下のとおりです。
国内酒類業界では、夏場の天候不順や消費者の節約志向による居酒屋業態の不振が需要を押し下げる要因となりました。海外では、北米のビール市場はおおむね横ばいで推移しましたが、アジアのビール市場は引き続き成長しています。食品・飲料業界では、天候や自然災害の発生等が需要に影響を及ぼしたと考えられます。不動産業界では、首都圏オフィス賃貸市場において空室率が改善するとともに賃料水準も緩やかに上昇しています。
このような状況のもと、サッポログループでは、「サッポログループ経営計画2015年-2016年」に基づく成長戦略を加速させ、特徴のある「食のメーカー」として存在感を示すとともに平成28年度の財務目標達成を目指してきました。
国内酒類事業では、「ビール強化元年」を掲げ、基軸ブランドの強化に注力しました。特にビールの主力ブランド「サッポロ生ビール黒ラベル」では一貫したマーケティング戦略が功を奏し、ビールの総需要が減少する中で2年連続の売上アップを達成しました。ビール類以外の伸長分野では、ワインやスピリッツ類において高付加価値の商品に注力し、多層化を推進しました。
国際事業では、北米のプレミアムビール市場において、カナダの「スリーマン社」及びアメリカの「サッポロUSA社」が積極的な販売活動を実施しました。アメリカの飲料市場においては、「カントリー ピュア フーズ社」が果汁シャーベット事業を買収し、売上拡大を図りました。ベトナムにおいては、マーケティング投資を継続し、「サッポロ」ブランドの構築を進めています。4月には瓶製品のクオリティアップを実施し、7月には中価格帯の市場に新商品を投入しました。
食品・飲料事業では、国内において、経営課題とする営業力強化とコスト削減に取り組み、強みであるレモン、スープを中心とした主力ブランドへの投資を集中しました。海外においては、インドネシアで製造・販売を行う合弁会社を設立、ミャンマーではライセンス生産の工場が竣工し、東南アジアを起点とした飲料事業を強化しました。
外食事業では、国内において、基幹業態の「銀座ライオン」「ヱビスバー」を中心に出店を行う一方、収益力改善に向けて不採算店舗の閉鎖・業態転換を進めました。シンガポールにおいては、引き続き「銀座ライオン」ブランドを世界に発信すべく取り組みを進めています。
不動産事業では、保有する賃貸不動産物件が高稼働率で推移しました。中核施設の「恵比寿ガーデンプレイス」において、街の魅力向上のために飲食エリアなどのバリューアップを推進しました。9月には「発信と交流の拠点」をコンセプトにした複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」が開業しました。
以上の結果、当期におけるサッポログループの連結業績は、以下のとおりです。

売上高
国内酒類事業では、ビール類の売上数量が前期並みとなりましたが、多層化の売上数量が前期を上回った影響などから、増収となりました。一方で、国際事業では、北米やベトナムのビール売上数量が前期を上回り、「カントリー ピュア フーズ社」が買収した果汁シャーベット事業も寄与しましたが、為替の影響を受けて減収となりました。食品・飲料事業では、国内食品・飲料の売上数量が前期を上回り増収となりました。外食事業では、「マルシンカワムラ社」「銀鱗水産社」が新規連結となり、増収となりました。不動産事業では、9月に開業した「GINZA PLACE(銀座プレイス)」などにより増収となりました。
以上の結果、連結売上高は5,418億円(前期比80億円、2%増)となりました。
営業利益
国内酒類事業では、ビール類におけるビールの構成比が上昇し、品種構成が改善した影響や、固定費の減少により、増益となりました。国際事業では、北米における事業が好調に推移したことや、物流費などのコスト削減により増益となりました。食品・飲料事業では、国内食品・飲料の売上高が増加したため、増益となりました。外食事業では、構造改革を進めて増益となりました。不動産事業では、主力物件の賃料収入増加のため、増益となりました。
以上の結果、連結営業利益は202億円(前期比63億円、45%増)となりました。
経常利益
連結営業利益の増加により、連結経常利益は192億円(前期比59億円、45%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
特別損失に固定資産除却損14億円や、減損損失10億円を計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は94億円(前期比33億円、55%増)となりました。

事業セグメント別の概況
企業集団の事業セグメント別売上状況は次のとおりであります。
-
国内酒類事業
国内におけるビール類総需要は、RTD(※1)への流出及び業務用市場の落ち込みが大きく、前期比98%弱になったと推定されます。
このような中で、国内酒類事業は、経営ビジョンとして「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を掲げ、サッポログループならではの価値の提供を積み重ねるとともに、当期を「ビール強化元年」と位置付け、ビールに積極的な投資をすることで、更なる成長を目指しました。
ビールでは、「サッポロ生ビール黒ラベル」「ヱビスビール」の缶製品が好調で、ビール合計の売上数量は前期比104%となり、2年連続で前期を上回りました。
発泡酒では、「極ZERO(ゴクゼロ)」の売上数量が前期を下回りましたが、新ジャンルでは、「麦とホップ The gold」が好調を維持しており、ビール類合計の売上数量は前期比99%となり、総需要を上回りました。
RTDでは、高付加価値のコラボ商品である「サッポロ 男梅サワー」や「ネクターサワー」「キレートレモンサワー」などが順調に推移し、売上高は前期を上回りました。
ワインでは、販売の強化を進めている「トレジャリー・ワイン・エステーツ社」の輸入ワイン「ペンフォールズ」、シャンパーニュの「テタンジェ」、日本ワインの「グランポレール」シリーズなどのファインワイン(※2)の売上高が伸長しました。
洋酒では、「バカルディ」「デュワーズ」等の主力ブランドが好調に推移したことで、売上高は前期を上回りました。
和酒では、甲乙混和芋焼酎売上No.1(※3)の「こくいも」が好調に推移し、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、国内酒類事業の売上高は2,794億円(前期比58億円、2%増)となり、営業利益は117億円(前期比31億円、36%増)となりました。- ※1 RTD:Ready To Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
- ※2 ファインワイン:中高級価格(1本1,500円以上)ワイン
- ※3 インテージSRI甲乙混和芋焼酎市場2015年1月〜2016年12月累計販売金額
全国SM/CVS/酒DSの合計
-
国際事業
※国際事業、食品・飲料事業及び外食事業の海外売上高を合わせたグループの売上高海外比率は、20.5%(酒税抜き)です。
北米におけるビール市場の総需要は、アメリカ、カナダともに前期並みであったと推定されます。アジアでは、中国での成長に陰りが見えたものの、その他のアジア諸国では人口増加及び底堅い経済成長を背景に引き続き成長しているものと見込まれます。
このような中で、国際事業は、重点エリアである北米及び東南アジアにおけるプレミアムビール市場に対して積極的な販売活動を、また、アメリカでは果汁飲料の販路拡大を行いました。
北米では、カナダにおいて、「スリーマン社」が主力のプレミアムブランドへのマーケティング投資を継続した結果、「スリーマン社」のビール売上数量(「サッポロ」ブランドを除く)は前期比102%となりました。アメリカのビール市場においては、「サッポロUSA社」が従来からの日系市場への取り組みに加えて、アメリカ一般市場やアジア系市場への展開を進めた結果、同社の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期比101%となりました。
アメリカの飲料市場においては、「カントリーピュアフーズ社」が5月に買収した果汁シャーベット事業が好調に推移しており、売上高が前期を上回りました。「シルバースプリングスシトラス社」は新たな販路を獲得した結果、売上高が前期を上回りました(決算取込期間調整後)。
東南アジアでは、ベトナムにおいて、平成27年11月にリニューアルをした「Sapporo Premium Beer」の缶製品が好調に推移しており、売上数量は前期を上回りました。 また、7月には「Sapporo Bluecap」を発売し、お客様からの好評を得ています。シンガポールでは、グループ内の子会社と協働して同国内の家庭用及び業務用市場への販路を拡大しており、ビール売上数量が前期を上回りました。
その他のエリアでは、韓国において、業務提携先の販売網を通して同国内の家庭用及び業務用市場のビール販売強化の取り組みを続け、「Sapporo Premium Beer」の取り扱い店が増えた結果、ビール売上数量が前期を上回りました。オセアニアでは、現地でのライセンス生産を核として同市場での販売強化に取り組んでおり、ビール売上数量は前期を上回りました。
これらの取り組みを通じて、国際事業全体の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期比106%となりました。
以上の結果、国際事業の売上高は円高の影響もあり、654億円(前期比51億円、7%減)となり、営業利益は9億円(前期比7億円、488%増)となりました。
サッポロベトナム社商品
サッポロUSA社商品
スリーマン社商品
シルバー スプリングス シトラス社商品
カントリー ピュア フーズ社商品
スリーマン社 ゲルフ工場
サッポロベトナム社 ロンアン工場 -
食品・飲料事業
国内における飲料の総需要は前期比102%と推定されます。
このような中で、食品・飲料事業は、レモン、スープを中心とした主力ブランドへの投資を集中し、ブランドの強化と育成を図りました。
国内飲料では、お客様の嗜好に合わせた様々な商品の発売により、飲料における独自のポジションを確立することを目指しました。その結果、国産茶葉を使用した「にっぽん烏龍」や、北海道富良野産ラベンダーを使用した「富良野ラベンダーティー」など、国産素材にこだわった商品の販売が好調に推移しました。また、レモン飲料においては主力の「キレートレモン(PET・瓶)」に加え、機能性表示食品として「キレートレモンMoisture(モイスチャー)」を発売するなど、新たな市場を創造することでキレートレモンブランドとして大きく売上を伸ばしました。
国内食品では、スープの「じっくりコトコト」ブランドが当期で20周年を迎え、電子レンジ対応パウチの「じっくりコトコト ご褒美Dining(ダイニング)」など、様々な新商品を投入しブランド強化を図りました。レモン食品においては、「ポッカレモン100」の売上が堅調に推移し、レモン食品の売上金額は前期比105%となりました。また、新規事業として、「トーラク社」から豆乳飲料・豆乳ヨーグルトの営業権を譲受して豆乳事業へ本格参入し、「ソヤファーム」ブランドの豆乳飲料・豆乳ヨーグルトの販売強化、及びブランド認知度の拡大を図りました。
国内外食では、カフェチェーン「カフェ・ド・クリエ」が、書店や病院内への積極的な店舗展開を行いました。また、「自然とのつながりを感じられる、ゆったりとしたくつろぎの時間」というコンセプトの「メゾン・ド・ヴェール」ブランドの確立を図りました。このような取り組みの結果、直営店の売上が堅調に推移し、売上高が前期を上回りました。
海外飲料では、シンガポール国内でのお茶カテゴリーでNo.1ポジション(※1)を維持しており、特に緑茶では約70%のシェアを占めています。また、お客様と良好な関係を築き、ブランドの価値を提供し続けている企業に贈られる「Influential Brands Awards 2016」において、「POKKA」ブランドが非炭酸飲料カテゴリーでTOP1ブランドに輝きました。
以上の結果、食品・飲料事業の売上高は1,379億円(前期比22億円、2%増)となり、営業利益は13億円(前期比8億円、203%増)となりました。
※1 データ出典:Nielsen Singapore Market Track March 2016
(Copyright c 2016, The Nielsen Company)
国内食品飲料の主要商品
海外飲料の主要商品
カフェチェーン「カフェ・ド・クリエ」
-
外食事業
国内外食市場は、業界全体としては回復傾向にあるものの、採用コストや食材の仕入価格は引き続き上昇基調にあり、依然として厳しい経営環境にありました。
このような中で、外食事業は、企業理念である「JOY OF LIVING〜生きている喜び〜」のもと、安全・安心な商品の提供を心がけ「お客様へ100%満足の提供」を目指す店舗づくりを進めてきました。
国内では、新規出店については、動物園内初出店となる「ガーデンテラス ライオン」を旭川・旭山動物園に、クラフトビールをメインとする新業態「CRAFT BEER KOYOEN」を名古屋に出店するなど、新たな地域や業態にチャレンジしました。また、コアブランド「銀座ライオン」業態についても、施設の建替えに伴い長期間休業していた大型基幹店を、複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」と新橋駅前にて再開しました。これにより当期は計12店舗の新規出店を行うとともに、2店舗の改装を実施しました。
また、6月より札幌を中心に「くし路」や「札幌銀鱗」などの飲食店ブランドを展開する「マルシンカワムラ社」と、水産品の加工及び販売を行う「銀鱗水産社」を新規連結に加えました。一方で、不採算であった8店舗を閉鎖したことにより、当期末の国内店舗数は200店舗となりました。
シンガポールにおいては、当期末の店舗数は14店舗となっており、平成27年11月に立ち上げた新たなブランド「とん吉銀座食堂」とともに、「銀座ライオン」ブランドを世界に発信すべく地域に愛される店舗づくりを進めています。
以上の結果、外食事業の売上高は281億円(前期比11億円、4%増)となり、営業利益は6億円(前期比1億円、27%増)となりました。
銀座ライオン GINZA PLACE店
ヱビスバー 川崎アゼリア店
CRAFT BEER KOYOEN KITTE名古屋店
くし路 KITTE丸の内店(マルシンカワムラ社) -
不動産事業
国内不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、好調な企業業績を背景にオフィス需要が堅調なことから引き続き空室率は低い水準で推移しており、賃料水準も緩やかな上昇傾向が継続しています。
このような中で、不動産賃貸では、収益の柱となっている「恵比寿ガーデンプレイスタワー」をはじめ、首都圏を中心に保有する各物件で高稼働率を維持しています。また、既存テナントの賃料水準引き上げについても積極的に取り組みを進めています。
複合商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」においては、恵比寿のランドマークとして「大人の街」となるべく、ブランド力強化と利便性向上を図るためのバリューアップを推進しています。商業エリアでは、10月に展望レストラン街38階を、「Grand&Casual 〜本物を気軽に愉しむ贅沢」のコンセプトのもと、展望スペース「SKY LOUNGE」を新設したほか、モダンに和食が愉しめるフロアへと全面リニューアルするとともに、JR山手線沿いに位置するシティウォール区画を、「大人の社交場(Bar)」をコンセプトにした飲食エリア「BRICKEND(ブリックエンド)」として新たにオープンしました。街を訪れるお客様に様々なシーンに合わせて集い、愉しんでいただけるよう、食体験のバリエーションを充実させることで、街の活性化と賑わいの創出に取り組みました。また、平成26年10月に開業した「恵比寿ファーストスクエア」は、高度な安全性・快適性・環境性能を備えた競争力のあるオフィスビルとしてお客様より高い評価をいただき、開業以来、満室稼働を維持しており、当期は更なる収益拡大に貢献しました。
不動産開発では、銀座四丁目交差点の一角に、「発信と交流の拠点」をコンセプトにした複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」が9月に開業しました。銀座の新たなランドマークとして、また日本の伝統や文化、先端技術など様々な情報発信を行う施設として、国内外のお客様から注目を集め、12月には早くも累計来館者100万人を達成し、街の賑わい創出に貢献しています。また、札幌市が都心まちづくり重点地区と位置付けて進める「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、複合商業施設「サッポロファクトリー」の改装を進めるとともに、隣地駐車場跡地の再開発に着手し、新たな商業施設の建設を進めています。
一方、長期的な視点から引き続き物件ポートフォリオの見直しを行っており、12月には旧ポッカ社創業の地であり、サッポログループとゆかりが深い名古屋の商業の中心地、中区栄にある商業ビルの信託受益権を取得しました。
以上の結果、不動産事業の売上高は229億円(前期比20億円、10%増)、営業利益は103億円(前期比20億円、25%増)となりました。
恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区・目黒区)
サッポロファクトリー アトリウム(札幌市中央区)
恵比寿ガーデンプレイス クリスマスの模様
GINZA PLACE(銀座プレイス)(東京都中央区)

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国内におけるビール類総需要は、RTD(※1)への流出及び業務用市場の落ち込みが大きく、前期比98%弱になったと推定されます。
このような中で、国内酒類事業は、経営ビジョンとして「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を掲げ、サッポログループならではの価値の提供を積み重ねるとともに、当期を「ビール強化元年」と位置付け、ビールに積極的な投資をすることで、更なる成長を目指しました。
ビールでは、「サッポロ生ビール黒ラベル」「ヱビスビール」の缶製品が好調で、ビール合計の売上数量は前期比104%となり、2年連続で前期を上回りました。
発泡酒では、「極ZERO(ゴクゼロ)」の売上数量が前期を下回りましたが、新ジャンルでは、「麦とホップ The gold」が好調を維持しており、ビール類合計の売上数量は前期比99%となり、総需要を上回りました。
RTDでは、高付加価値のコラボ商品である「サッポロ 男梅サワー」や「ネクターサワー」「キレートレモンサワー」などが順調に推移し、売上高は前期を上回りました。
ワインでは、販売の強化を進めている「トレジャリー・ワイン・エステーツ社」の輸入ワイン「ペンフォールズ」、シャンパーニュの「テタンジェ」、日本ワインの「グランポレール」シリーズなどのファインワイン(※2)の売上高が伸長しました。
洋酒では、「バカルディ」「デュワーズ」等の主力ブランドが好調に推移したことで、売上高は前期を上回りました。
和酒では、甲乙混和芋焼酎売上No.1(※3)の「こくいも」が好調に推移し、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、国内酒類事業の売上高は2,794億円(前期比58億円、2%増)となり、営業利益は117億円(前期比31億円、36%増)となりました。- ※1 RTD:Ready To Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
- ※2 ファインワイン:中高級価格(1本1,500円以上)ワイン
- ※3 インテージSRI甲乙混和芋焼酎市場2015年1月〜2016年12月累計販売金額
全国SM/CVS/酒DSの合計
-
※国際事業、食品・飲料事業及び外食事業の海外売上高を合わせたグループの売上高海外比率は、20.5%(酒税抜き)です。
北米におけるビール市場の総需要は、アメリカ、カナダともに前期並みであったと推定されます。アジアでは、中国での成長に陰りが見えたものの、その他のアジア諸国では人口増加及び底堅い経済成長を背景に引き続き成長しているものと見込まれます。
このような中で、国際事業は、重点エリアである北米及び東南アジアにおけるプレミアムビール市場に対して積極的な販売活動を、また、アメリカでは果汁飲料の販路拡大を行いました。
北米では、カナダにおいて、「スリーマン社」が主力のプレミアムブランドへのマーケティング投資を継続した結果、「スリーマン社」のビール売上数量(「サッポロ」ブランドを除く)は前期比102%となりました。アメリカのビール市場においては、「サッポロUSA社」が従来からの日系市場への取り組みに加えて、アメリカ一般市場やアジア系市場への展開を進めた結果、同社の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期比101%となりました。
アメリカの飲料市場においては、「カントリーピュアフーズ社」が5月に買収した果汁シャーベット事業が好調に推移しており、売上高が前期を上回りました。「シルバースプリングスシトラス社」は新たな販路を獲得した結果、売上高が前期を上回りました(決算取込期間調整後)。
東南アジアでは、ベトナムにおいて、平成27年11月にリニューアルをした「Sapporo Premium Beer」の缶製品が好調に推移しており、売上数量は前期を上回りました。 また、7月には「Sapporo Bluecap」を発売し、お客様からの好評を得ています。シンガポールでは、グループ内の子会社と協働して同国内の家庭用及び業務用市場への販路を拡大しており、ビール売上数量が前期を上回りました。
その他のエリアでは、韓国において、業務提携先の販売網を通して同国内の家庭用及び業務用市場のビール販売強化の取り組みを続け、「Sapporo Premium Beer」の取り扱い店が増えた結果、ビール売上数量が前期を上回りました。オセアニアでは、現地でのライセンス生産を核として同市場での販売強化に取り組んでおり、ビール売上数量は前期を上回りました。
これらの取り組みを通じて、国際事業全体の「サッポロ」ブランドのビール売上数量は前期比106%となりました。
以上の結果、国際事業の売上高は円高の影響もあり、654億円(前期比51億円、7%減)となり、営業利益は9億円(前期比7億円、488%増)となりました。
サッポロベトナム社商品
サッポロUSA社商品
スリーマン社商品
シルバー スプリングス シトラス社商品
カントリー ピュア フーズ社商品
スリーマン社 ゲルフ工場
サッポロベトナム社 ロンアン工場 -
国内における飲料の総需要は前期比102%と推定されます。
このような中で、食品・飲料事業は、レモン、スープを中心とした主力ブランドへの投資を集中し、ブランドの強化と育成を図りました。
国内飲料では、お客様の嗜好に合わせた様々な商品の発売により、飲料における独自のポジションを確立することを目指しました。その結果、国産茶葉を使用した「にっぽん烏龍」や、北海道富良野産ラベンダーを使用した「富良野ラベンダーティー」など、国産素材にこだわった商品の販売が好調に推移しました。また、レモン飲料においては主力の「キレートレモン(PET・瓶)」に加え、機能性表示食品として「キレートレモンMoisture(モイスチャー)」を発売するなど、新たな市場を創造することでキレートレモンブランドとして大きく売上を伸ばしました。
国内食品では、スープの「じっくりコトコト」ブランドが当期で20周年を迎え、電子レンジ対応パウチの「じっくりコトコト ご褒美Dining(ダイニング)」など、様々な新商品を投入しブランド強化を図りました。レモン食品においては、「ポッカレモン100」の売上が堅調に推移し、レモン食品の売上金額は前期比105%となりました。また、新規事業として、「トーラク社」から豆乳飲料・豆乳ヨーグルトの営業権を譲受して豆乳事業へ本格参入し、「ソヤファーム」ブランドの豆乳飲料・豆乳ヨーグルトの販売強化、及びブランド認知度の拡大を図りました。
国内外食では、カフェチェーン「カフェ・ド・クリエ」が、書店や病院内への積極的な店舗展開を行いました。また、「自然とのつながりを感じられる、ゆったりとしたくつろぎの時間」というコンセプトの「メゾン・ド・ヴェール」ブランドの確立を図りました。このような取り組みの結果、直営店の売上が堅調に推移し、売上高が前期を上回りました。
海外飲料では、シンガポール国内でのお茶カテゴリーでNo.1ポジション(※1)を維持しており、特に緑茶では約70%のシェアを占めています。また、お客様と良好な関係を築き、ブランドの価値を提供し続けている企業に贈られる「Influential Brands Awards 2016」において、「POKKA」ブランドが非炭酸飲料カテゴリーでTOP1ブランドに輝きました。
以上の結果、食品・飲料事業の売上高は1,379億円(前期比22億円、2%増)となり、営業利益は13億円(前期比8億円、203%増)となりました。
※1 データ出典:Nielsen Singapore Market Track March 2016
(Copyright c 2016, The Nielsen Company)
国内食品飲料の主要商品
海外飲料の主要商品
カフェチェーン
「カフェ・ド・クリエ」国内外食市場は、業界全体としては回復傾向にあるものの、採用コストや食材の仕入価格は引き続き上昇基調にあり、依然として厳しい経営環境にありました。
このような中で、外食事業は、企業理念である「JOY OF LIVING〜生きている喜び〜」のもと、安全・安心な商品の提供を心がけ「お客様へ100%満足の提供」を目指す店舗づくりを進めてきました。
国内では、新規出店については、動物園内初出店となる「ガーデンテラス ライオン」を旭川・旭山動物園に、クラフトビールをメインとする新業態「CRAFT BEER KOYOEN」を名古屋に出店するなど、新たな地域や業態にチャレンジしました。また、コアブランド「銀座ライオン」業態についても、施設の建替えに伴い長期間休業していた大型基幹店を、複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」と新橋駅前にて再開しました。これにより当期は計12店舗の新規出店を行うとともに、2店舗の改装を実施しました。
また、6月より札幌を中心に「くし路」や「札幌銀鱗」などの飲食店ブランドを展開する「マルシンカワムラ社」と、水産品の加工及び販売を行う「銀鱗水産社」を新規連結に加えました。一方で、不採算であった8店舗を閉鎖したことにより、当期末の国内店舗数は200店舗となりました。
シンガポールにおいては、当期末の店舗数は14店舗となっており、平成27年11月に立ち上げた新たなブランド「とん吉銀座食堂」とともに、「銀座ライオン」ブランドを世界に発信すべく地域に愛される店舗づくりを進めています。
以上の結果、外食事業の売上高は281億円(前期比11億円、4%増)となり、営業利益は6億円(前期比1億円、27%増)となりました。
銀座ライオン GINZA PLACE店
ヱビスバー 川崎アゼリア店
CRAFT BEER KOYOEN KITTE名古屋店
くし路 KITTE丸の内店(マルシンカワムラ社)国内不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、好調な企業業績を背景にオフィス需要が堅調なことから引き続き空室率は低い水準で推移しており、賃料水準も緩やかな上昇傾向が継続しています。
このような中で、不動産賃貸では、収益の柱となっている「恵比寿ガーデンプレイスタワー」をはじめ、首都圏を中心に保有する各物件で高稼働率を維持しています。また、既存テナントの賃料水準引き上げについても積極的に取り組みを進めています。
複合商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」においては、恵比寿のランドマークとして「大人の街」となるべく、ブランド力強化と利便性向上を図るためのバリューアップを推進しています。商業エリアでは、10月に展望レストラン街38階を、「Grand&Casual 〜本物を気軽に愉しむ贅沢」のコンセプトのもと、展望スペース「SKY LOUNGE」を新設したほか、モダンに和食が愉しめるフロアへと全面リニューアルするとともに、JR山手線沿いに位置するシティウォール区画を、「大人の社交場(Bar)」をコンセプトにした飲食エリア「BRICKEND(ブリックエンド)」として新たにオープンしました。街を訪れるお客様に様々なシーンに合わせて集い、愉しんでいただけるよう、食体験のバリエーションを充実させることで、街の活性化と賑わいの創出に取り組みました。また、平成26年10月に開業した「恵比寿ファーストスクエア」は、高度な安全性・快適性・環境性能を備えた競争力のあるオフィスビルとしてお客様より高い評価をいただき、開業以来、満室稼働を維持しており、当期は更なる収益拡大に貢献しました。
不動産開発では、銀座四丁目交差点の一角に、「発信と交流の拠点」をコンセプトにした複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」が9月に開業しました。銀座の新たなランドマークとして、また日本の伝統や文化、先端技術など様々な情報発信を行う施設として、国内外のお客様から注目を集め、12月には早くも累計来館者100万人を達成し、街の賑わい創出に貢献しています。また、札幌市が都心まちづくり重点地区と位置付けて進める「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、複合商業施設「サッポロファクトリー」の改装を進めるとともに、隣地駐車場跡地の再開発に着手し、新たな商業施設の建設を進めています。
一方、長期的な視点から引き続き物件ポートフォリオの見直しを行っており、12月には旧ポッカ社創業の地であり、サッポログループとゆかりが深い名古屋の商業の中心地、中区栄にある商業ビルの信託受益権を取得しました。
以上の結果、不動産事業の売上高は229億円(前期比20億円、10%増)、営業利益は103億円(前期比20億円、25%増)となりました。
恵比寿ガーデンプレイス
(東京都渋谷区・目黒区)
サッポロファクトリー アトリウム
(札幌市中央区)
恵比寿ガーデンプレイス
クリスマスの模様
GINZA PLACE(銀座プレイス)
(東京都中央区)対処すべき課題
①サッポログループ中長期的な経営戦略
当社は、2016年(平成28年)11月、グループ創業150年の節目を迎える2026年までの10年間に、当社が進むべき方向性と、2017年から2020年までの4年間で取り組む基本戦略をまとめた「サッポログループ長期経営ビジョン『SPEED150』」及び「第一次中期経営計画2020」を策定しました。
●サッポログループ長期経営ビジョン「SPEED150」
経営理念及び経営の基本方針は踏襲しながら、スピードを持って経営改革と事業成長に取り組むことで実現させる「2026グループビジョン」と「行動指針」を定めました。
グループの成長の源泉は、創業以来140年の歴史の中で培われた「ブランド資産」であると改めて認識したうえで、グループのコア事業を『酒』『食』『飲』の3分野と位置付け、不動産事業とともにグループ保有のブランドを育成・強化していきます。国内に数多ある食品企業の中でも、『酒』『食』『飲』の3分野を展開するユニークな強みを活かし、特長ある商品・サービスをグローバルに展開し、お客様との接点拡大を図ることで、力強い成長を目指します。●第一次中期経営計画2020
基本方針
「異次元スピードでの変革」をテーマに、成長ステージへの早期移行を目指します。
(1)事業活動
各事業の競争領域を見定め、「継続成長」「成果創出」を実現して、キャッシュ創出力を高めます。①既存事業の継続的成長 既存5事業での競争領域を見定めた確実な成長
②投資事業の成果創出 ベトナム事業、北米飲料事業、食品・飲料事業での収益性向上
③成長機会の獲得 『食』分野の拡大とグローバル展開に経営資源を投入し成長機会を獲得
(2)グループ経営
「経営資源の戦略的シフト」「セグメント経営の事業構造変革と推進」による基盤強化を主導します。①成長実態に適したグループ体制と本社機能の最適化の実行
②基盤機能の強化
-R&D 『食』分野の成長に向けたリソース(人財、研究開発費)の増強
-人事・人財 成長領域への人財シフトと健康増進への取り組み
-財務 資産効率の向上とモニタリング強化による財務基盤強化
②コーポレートガバナンス体制
当社は、サッポログループの「経営理念」「経営の基本方針」等を具現化し、グループ全体の持続的な企業価値向上を図っていくために、コーポレートガバナンスの強化充実を経営上の重要な課題として位置付けており、持株会社体制のもとでグループ内における監督機能、業務執行機能及び監査機能を明確化し、経営における透明性の向上と経営目標の達成に向けた経営監視機能の強化に努めています。当社では、2015年(平成27年)12月、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を制定し、当社ホームページに掲載しております。
③サッポログループの主要事業での取り組み課題
●国内酒類事業は、ビジョンとして「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を継続し、当社ならではの価値の提供を積み重ねることで、成長を目指します。
●ビール類では、「ビール復権宣言」を事業方針に掲げ、ビールブランド強化の取り組みを継続します。発売40周年を迎える「サッポロ生ビール黒ラベル」は、独自の世界感と良質な飲用体験の機会をこれまで以上に広く提供することで、好調な売上トレンドを加速させます。「ヱビス」も、ご愛飲いただいているお客様との絆強化に加え、新たな接点の拡大を実現します。また、お客様の多様化するニーズに対応するためのオンリーワン商品を開発、育成することも進めます。
●ワインでは、引き続きファインワインの提案強化を行います。日本ワイン「グランポレール」、シャンパーニュ「テタンジェ」、輸入ワイン「ペンフォールズ」を中心に、一層の販売拡大を行います。また、デイリーワインも、情報発信とプロモーション強化によりユーザーの拡大を目指します。
●事業全体では、更なるブランド価値向上に向けた効果的な販売費の投下を行うとともに、その他のコスト削減にも取り組み、利益計画の達成を目指します。
●国際事業は、重点エリアである北米及び東南アジアにおいて「サッポロ」をはじめとしたプレミアムブランドの浸透を図り、それぞれのエリア特性を踏まえた戦略を遂行することで、同市場における当社独自の地位を築いていきます。
●北米では、カナダ市場において、「スリーマン社」が保有するブランドの個性に合わせたマーケティング施策の展開や生産体制の最適化によるコスト削減を実施し、シェアアップと利益計画の達成を目指します。アメリカ市場においては、「サッポロUSA社」が今後の伸びが期待できるエリアとチャネルに経営資源を戦略的に配分することで、「サッポロ」ブランドのプレゼンス拡大を図ります。
●アメリカ飲料市場においては、「シルバー スプリングス シトラス社」及び「カントリー ピュア フーズ社」の強みを活かす経営体制を構築し、新たな販路の獲得や生産体制の整備によって、売上拡大と収益向上を図ります。
●東南アジアでは、ベトナム市場において、お客様との接点である店頭にて「Sapporo Premium Beer」のブランド価値を訴求し、効果的なマーケティング活動の展開により売上拡大と収益改善を目指します。
●国内の食品・飲料事業は、「毎日の生活に彩りと輝きをくわえる、新しい『おいしい』を次々と生み出し続けます」というビジョンのもと、お客様視点を徹底し、当社の優位性を発揮できる分野にて新たな価値を提案していきます。
●国内飲料では、当社独自のポジションを確立していきます。また、レモン飲料においては、「キレートレモン」ブランドのマーケティング強化を行うことに加え、新たな価値を持つ商品開発を行うことでレモンのリーダーとしてのポジションをさらに盤石にしていきます。国内食品のスープにおいては、様々なシーンに適したスープ商品を提案し、需要拡大に努めます。
●新規事業の豆乳事業においては、当社の強みである豆乳ヨーグルトの成長を図りながら、既存ブランドである「ソヤファーム」の売上拡大を目指していきます。
●国内外食では、「カフェ・ド・クリエ」においてきめ細かいマーケティングを行い、既存店の活性化を図ります。また、新業態への取り組みを加速させ、ブランド価値の向上を進めていきます。
●海外飲料では、シンガポールでのポジションを維持しつつ、他東南アジアの国々への販路拡大、「POKKA」ブランドの浸透を進めていきます。
●外食事業では、引き続き「お客様へ100%満足の提供」を軸に、基本となる商品・サービス・店舗環境等の「営業品質」の向上を図るとともに、安全・安心な商品の提供に向けた取り組みを進めます。
●新規出店においては、基幹業態である「銀座ライオン」や「ヱビスバー」の展開エリアの拡大、新業態の出店に取り組むとともに、将来に亘る収益力の維持・向上に向けて既存店舗の改装・ブラッシュアップに積極的に取り組みます。
●海外においては、シンガポール国内での「銀座ライオン」ブランドの定着に向けた取り組みを進めるとともに、「とん吉」ブランドの収益向上に向けた既存店舗の改装に取り組みます。また、周辺諸国への展開に向けた検討を進めていきます。
●不動産賃貸では、ハード・ソフト両面における競争力強化に引き続き努め、保有物件の稼働率及び賃料水準の維持向上に取り組んでいきます。
●中核施設である「恵比寿ガーデンプレイス」では、平成29年4月に事業所内保育所を開園する計画を進めるほか、商業区画をはじめとする各エリアにおいても引き続きバリューアップを推進し、新たな付加価値を提供することで街全体のブランド価値向上を目指します。
●平成28年9月に開業した複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」では、施設コンセプトである「発信と交流の拠点」としてさらに情報発信力を高め、ブランド価値向上に取り組んでいくとともに、街の賑わい創出や集客向上に貢献していきます。
●複合商業施設「サッポロファクトリー」では、札幌市が都心まちづくり重点地区と位置付けて進める「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、引き続き改装を進めます。
●今後も不動産事業全体の価値向上を図るために、保有物件ポートフォリオの改善を進めるとともに、「まちづくり事業」を中心とした新たな事業ドメインの構築に取り組んでいきます。
③サッポログループの主要事業での取り組み課題
●国内酒類事業は、ビジョンとして「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を継続し、当社ならではの価値の提供を積み重ねることで、成長を目指します。
●ビール類では、「ビール復権宣言」を事業方針に掲げ、ビールブランド強化の取り組みを継続します。発売40周年を迎える「サッポロ生ビール黒ラベル」は、独自の世界感と良質な飲用体験の機会をこれまで以上に広く提供することで、好調な売上トレンドを加速させます。「ヱビス」も、ご愛飲いただいているお客様との絆強化に加え、新たな接点の拡大を実現します。また、お客様の多様化するニーズに対応するためのオンリーワン商品を開発、育成することも進めます。
●ワインでは、引き続きファインワインの提案強化を行います。日本ワイン「グランポレール」、シャンパーニュ「テタンジェ」、輸入ワイン「ペンフォールズ」を中心に、一層の販売拡大を行います。また、デイリーワインも、情報発信とプロモーション強化によりユーザーの拡大を目指します。
●事業全体では、更なるブランド価値向上に向けた効果的な販売費の投下を行うとともに、その他のコスト削減にも取り組み、利益計画の達成を目指します。
詳細を見る閉じる●国際事業は、重点エリアである北米及び東南アジアにおいて「サッポロ」をはじめとしたプレミアムブランドの浸透を図り、それぞれのエリア特性を踏まえた戦略を遂行することで、同市場における当社独自の地位を築いていきます。
●北米では、カナダ市場において、「スリーマン社」が保有するブランドの個性に合わせたマーケティング施策の展開や生産体制の最適化によるコスト削減を実施し、シェアアップと利益計画の達成を目指します。アメリカ市場においては、「サッポロUSA社」が今後の伸びが期待できるエリアとチャネルに経営資源を戦略的に配分することで、「サッポロ」ブランドのプレゼンス拡大を図ります。
●アメリカ飲料市場においては、「シルバー スプリングス シトラス社」及び「カントリー ピュア フーズ社」の強みを活かす経営体制を構築し、新たな販路の獲得や生産体制の整備によって、売上拡大と収益向上を図ります。
●東南アジアでは、ベトナム市場において、お客様との接点である店頭にて「Sapporo Premium Beer」のブランド価値を訴求し、効果的なマーケティング活動の展開により売上拡大と収益改善を目指します。
詳細を見る閉じる●国内の食品・飲料事業は、「毎日の生活に彩りと輝きをくわえる、新しい『おいしい』を次々と生み出し続けます」というビジョンのもと、お客様視点を徹底し、当社の優位性を発揮できる分野にて新たな価値を提案していきます。
●国内飲料では、当社独自のポジションを確立していきます。また、レモン飲料においては、「キレートレモン」ブランドのマーケティング強化を行うことに加え、新たな価値を持つ商品開発を行うことでレモンのリーダーとしてのポジションをさらに盤石にしていきます。国内食品のスープにおいては、様々なシーンに適したスープ商品を提案し、需要拡大に努めます。
●新規事業の豆乳事業においては、当社の強みである豆乳ヨーグルトの成長を図りながら、既存ブランドである「ソヤファーム」の売上拡大を目指していきます。
●国内外食では、「カフェ・ド・クリエ」においてきめ細かいマーケティングを行い、既存店の活性化を図ります。また、新業態への取り組みを加速させ、ブランド価値の向上を進めていきます。
●海外飲料では、シンガポールでのポジションを維持しつつ、他東南アジアの国々への販路拡大、「POKKA」ブランドの浸透を進めていきます。
詳細を見る閉じる●外食事業では、引き続き「お客様へ100%満足の提供」を軸に、基本となる商品・サービス・店舗環境等の「営業品質」の向上を図るとともに、安全・安心な商品の提供に向けた取り組みを進めます。
●新規出店においては、基幹業態である「銀座ライオン」や「ヱビスバー」の展開エリアの拡大、新業態の出店に取り組むとともに、将来に亘る収益力の維持・向上に向けて既存店舗の改装・ブラッシュアップに積極的に取り組みます。
●海外においては、シンガポール国内での「銀座ライオン」ブランドの定着に向けた取り組みを進めるとともに、「とん吉」ブランドの収益向上に向けた既存店舗の改装に取り組みます。また、周辺諸国への展開に向けた検討を進めていきます。
詳細を見る閉じる●不動産賃貸では、ハード・ソフト両面における競争力強化に引き続き努め、保有物件の稼働率及び賃料水準の維持向上に取り組んでいきます。
●中核施設である「恵比寿ガーデンプレイス」では、平成29年4月に事業所内保育所を開園する計画を進めるほか、商業区画をはじめとする各エリアにおいても引き続きバリューアップを推進し、新たな付加価値を提供することで街全体のブランド価値向上を目指します。
●平成28年9月に開業した複合商業施設「GINZA PLACE(銀座プレイス)」では、施設コンセプトである「発信と交流の拠点」としてさらに情報発信力を高め、ブランド価値向上に取り組んでいくとともに、街の賑わい創出や集客向上に貢献していきます。
●複合商業施設「サッポロファクトリー」では、札幌市が都心まちづくり重点地区と位置付けて進める「創成川以東地区」の再整備計画に合わせ、引き続き改装を進めます。
●今後も不動産事業全体の価値向上を図るために、保有物件ポートフォリオの改善を進めるとともに、「まちづくり事業」を中心とした新たな事業ドメインの構築に取り組んでいきます。
詳細を見る閉じるサッポログループは、株主の皆様をはじめとするすべてのステークホルダーの信頼を高める誠実な企業活動を実践し、グループの持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
株主の皆様におかれましては、より一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。連結計算書類
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